「カブトビールって知ってる?」
この質問、地元の人でも「なんか聞いたことあるけど…」くらいの反応が多い。でも、その名前を初めて聞いた人のリアクションは大体決まっている。「え、武士が飲んでたの?」とか「兜をかぶって飲むやつ?」とか。いやいや、そんな戦国武将みたいな話じゃないんだけど、実はもっとドラマチックな歴史を持つビールなんです。
明治時代に誕生し、大正時代には絶頂期を迎え、そして昭和の戦争を経て消滅。その後、長い眠りについたかと思いきや、平成になってまさかの復活。こんな波瀾万丈な人生(ビール生?)を送っているお酒、なかなかないですよね?しかも、ただの復刻ではなく、地元の人たちの熱い想いがぎゅっと詰まっている。
そんな「一度消えた伝説のビール」、ちょっと気になってきませんか?どんな味がするのか、どこで飲めるのか、なぜこんな壮大なストーリーが生まれたのか。ここから先、カブトビールの奥深い世界へご案内します。
カブトビールとは?半田赤レンガ建物で復活した伝説のビール
愛知県半田市で生まれ、かつては東海地方を席巻した「カブトビール」。明治から昭和初期にかけて多くの人に愛されたものの、時代の流れとともに消えていったこのビールが、2015年に半田赤レンガ建物の復活とともに見事カムバック。今やクラフトビール好きなら一度は飲んでおきたい存在になっています。その歴史をひも解きながら、なぜ復活したのか、そして「明治」「大正」2種類の味わいの違いについて詳しく見ていきましょう。
明治・大正時代に愛された幻のカブトビール

カブトビールの物語は、1887年(明治20年)にまでさかのぼります。ミツカン4代目の中埜又左衛門と、その甥で後に敷島製パンを立ち上げる盛田善平が設立した「丸三麦酒醸造所」が、その原点です。最初は「丸三ビール」という名前で売り出されたものの、1898年(明治31年)に「加武登麦酒(カブトビール)」へと改称。このネーミング、由来については諸説ありますが、「勝って兜の緒を締めよ」にちなんだ説や、ビールを豪快に飲むことを「かぶる」と表現していたことが影響しているとも言われています。
1900年(明治33年)のパリ万国博覧会では金牌を受賞し、その品質の高さが世界に認められることに。最盛期には「東の恵比寿、西のカブト」と称され、東海地方では圧倒的なシェアを誇りました。
しかし、戦争の影響はビール産業にも及びます。1943年(昭和18年)、企業整備令により工場は閉鎖され、カブトビールは市場から姿を消しました。そして時は流れ、半田の人々の記憶の中にのみ残る「幻のビール」となったのです。
なぜ復刻されたのか?地域の熱意とストーリー
時を経て、半田のシンボル的存在だったカブトビールの醸造工場「半田赤レンガ建物」が、保存の危機にさらされました。これをきっかけに2004年(平成16年)、地元有志による市民団体「赤煉瓦倶楽部半田」が立ち上がり、歴史的価値のある建物とともに、カブトビールの復活プロジェクトが始動。
そして2005年(平成17年)、南知多町の知多麦酒株式会社の協力を得て「復刻明治カブトビール」が誕生し、半田赤レンガ建物の特別公開時にお披露目されました。予想以上の反響を受け、2015年(平成27年)には半田赤レンガ建物がリニューアルオープンし、2016年(平成28年)には「復刻大正カブトビール」も登場。そして2023年(令和5年)には「昭和カブトビール」が加わり、今では3世代のカブトビールを楽しむことができるようになっています。

カブトビールは、ただの復刻ではなく、地元の情熱によって再びこの地に息を吹き返したのです。
「明治」「大正」2種類の味わいの違いと特徴
復活したカブトビールには、「明治」と「大正」の2つのバージョンがあります。それぞれの特徴を知っておくと、より深く楽しめるはず。

「明治カブトビール」
アルコール度数7%とやや高めで、ホップを贅沢に使用。現代のビールと比べると苦味がしっかりしており、麦のコクが感じられる仕上がり。炭酸は控えめで、まろやかさが際立ちます。まさに「じっくり味わうビール」といった趣で、ビール好きにはたまらない味わいです。

「大正カブトビール」
こちらはアルコール度数5%で、より軽やかで飲みやすい仕上がり。明治時代の濃厚なビールから、よりスッキリとした味わいへと時代が変化していったことを感じさせます。ビール初心者でも挑戦しやすく、食事と合わせやすいのも特徴。瓶のラベルも大正時代のデザインを再現しており、クラシックな雰囲気を楽しめます。
どちらも個性が際立ち、それぞれに異なる魅力があります。せっかくなら「明治」と「大正」の飲み比べをしてみるのも面白いですね。
実際に飲んでみたいなら、半田赤レンガ建物内のカフェ&ビアホール「Re-BRICK」へ行くのがベスト。ここではカブトビールを最高の状態で味わえるだけでなく、ビールにぴったりの料理も充実しています。せっかくならおいしいペアリングで、カブトビールの魅力を存分に楽しみたいですよね。次は、ビールに合う絶品料理や、おすすめの飲み比べスポットについて詳しくご紹介します。
半田で楽しむカブトビールの飲み比べとおすすめペアリング
せっかくなら、カブトビールの奥深い味わいを、ベストな環境で楽しみたいですよね。半田でカブトビールを味わうなら、訪れるべき場所はひとつ。半田赤レンガ建物内にあるカフェ&ビアホール「Re-BRICK」です。ここでは、「明治」「大正」の2種類のカブトビールを、最高の状態で提供。さらに、ビールを引き立てる絶品料理も揃っています。
カフェ&ビアホール「Re-BRICK」で味わう復刻ビール
「Re-BRICK」は、半田赤レンガ建物内にあるカフェ&ビアホールで、復刻したカブトビールをじっくり堪能できる場所。ここでは、ビール好きなら一度は試したい「明治カブトビール」と「大正カブトビール」の飲み比べができます。
「明治カブトビール」は、アルコール度数7%とやや高め。ホップがたっぷり使われているので、ガツンとした苦味と重厚感のあるコクが特徴です。一方、「大正カブトビール」はアルコール度数5%で、すっきりとした飲みやすさが魅力。明治版が「ビール好きに向けた本格派」なら、大正版は「ビール初心者でも楽しめる洗練された味わい」といった印象です。
飲み比べセットを注文すると、それぞれの特徴をじっくり感じながら、自分好みの一杯を見つけることができます。実際に両方を試してみると、「どっちが好み?」と、自然と会話が弾むのも楽しいポイント。
知多和牛・名古屋コーチン卵と楽しむ至福のマリアージュ
カブトビール単体でも楽しめますが、せっかくなら相性抜群の料理と一緒に味わいたいですよね。ここ「Re-BRICK」では、知多半島の厳選食材を使った料理が提供されており、ビールとの組み合わせを考え抜いたメニューが充実しています。
まずおすすめしたいのが、「知多和牛のローストビーフ丼」。地元・小栗牧場の知多和牛のもも肉を使用し、カブトビールに漬け込んだあとに特製ダレで仕上げた一品です。しっとりとしたお肉の旨みと、ビールの芳醇なコクが驚くほどマッチ。特に「明治カブトビール」と合わせると、濃厚な味わい同士が引き立て合い、満足感たっぷりのペアリングになります。
さらに、知多半島のブランド卵「名古屋コーチン卵」を使った「ふわとろオムレツ」も外せません。卵の濃厚な甘みと「大正カブトビール」の軽やかな飲み口が好相性で、ビールの爽やかさがふんわりした食感を引き立てます。
初心者でも楽しめる!おすすめのおつまみランキング
カブトビールにぴったりのおつまみを、初心者向けにランキング形式でご紹介します。ビールに詳しくなくても、これを頼めば間違いなし!
第1位:「ジャーマンプレート」
ビールといえばソーセージ!ということで、地元の手作りハム&ソーセージ工房「コボルト」のハムステーキやウインナーがセットになったジャーマンプレートが堂々の1位。特に「明治カブトビール」の苦味と肉の旨みが合わさると、ドイツのビアホール気分が味わえます。
第2位:「知多牛の炙り焼き」
知多牛の甘みとほどよい脂のバランスが絶妙で、シンプルに塩で味付け。肉の旨みをダイレクトに感じられるので、「大正カブトビール」のスッキリ感と相性抜群。ビールを飲みながら、じっくり味わうのが至福の時間です。
第3位:「ふんわり名古屋コーチン卵の出汁巻き」
優しい味わいの出汁巻き卵は、意外にもビールに合うおつまみ。特に「大正カブトビール」のまろやかな飲み口と一緒に楽しむと、味のバランスが取れてすっと飲みやすくなります。
カブトビールは、単体で楽しむのもいいですが、料理と合わせることでその味わいがより一層引き立ちます。次は、そんなカブトビールが映画『風立ちぬ』とどのような関わりがあるのか、歴史的なエピソードを交えてお伝えします。
『風立ちぬ』にも登場!カブトビールと映画の関係
ビールの歴史をたどっていたはずが、まさかのジブリ作品に行き着くとは。カブトビール、実は宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』にも登場しています。映画を観た人の中には、「あのカブトビールって本当にあったの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。じつは、映画に描かれたあの名古屋駅前の広告塔、史実に基づいたものなのです。
名古屋駅前を彩ったカブトビールの広告塔
明治から昭和初期にかけて、名古屋駅前には高さ約10メートルの巨大な「カブトビール」の広告塔がそびえ立っていました。今でいうと、新幹線のホームからも見えるような、かなりの存在感。カブトビールがどれほどの人気だったかが、この広告塔ひとつで伝わってきますよね。
映画『風立ちぬ』では、昭和初期の名古屋の風景が精密に再現されており、そこにしっかりとこのカブトビールの看板も描かれています。これは決して偶然ではなく、宮崎駿監督が当時の日本の風景をリアルに伝えるために、実際にあった広告を参考にして作られたもの。ビール好きなら、映画を観る際にぜひチェックしてほしいポイントです。
半田で復活!10メートルの巨大看板
映画の中だけの話かと思いきや、このカブトビールの広告塔、2022年3月に半田赤レンガ建物の敷地内に実物大で復元されました。高さ約10メートルの巨大看板は、当時のデザインを忠実に再現したもの。今となっては、半田を訪れたら必ず見ておきたい“映えスポット”のひとつになっています。
なぜこのタイミングで復元されたのかというと、背景には「ジブリパーク開園」という一大イベントがありました。『風立ちぬ』に登場したことで、カブトビールの知名度が全国的にアップ。そこにジブリパーク開園の話が重なり、カブトビールの歴史を多くの人に知ってもらおうと、この広告塔を復元するプロジェクトが動き出したのです。
実際に見てみると、映画のシーンそのままのレトロなデザインが再現されていて、まるで昭和の名古屋にタイムスリップしたような気分になります。
『風立ちぬ』の世界をリアルで感じる

『風立ちぬ』は、ゼロ戦の設計者・堀越二郎の半生を描いた作品ですが、そこに描かれる昭和初期の街並みや文化がとても細かく、当時の雰囲気を色濃く映し出しています。その中で、名古屋駅周辺の風景の一部として登場したカブトビールの看板も、間違いなくその時代を象徴するもののひとつ。
映画を観たあとに半田赤レンガ建物を訪れ、実際のカブトビール広告塔を眺めると、「この景色、本当にあったんだ…!」という驚きとともに、映画の世界がぐっとリアルに感じられます。しかも、その場でカブトビールを飲みながら映画の話をすれば、ちょっとした“昭和の時間旅行”が楽しめるかもしれませんね。
さて、そんなカブトビール、実際に飲んでみた人の感想はどうなのでしょうか?次は、口コミや評価、さらにはお土産としての人気について詳しく見ていきます。
カブトビールの口コミ・評価とおすすめの楽しみ方
カブトビールを実際に飲んだ人たちの評価はどんなものなのか?口コミを見てみると、ビール好きはもちろん、普段あまりビールを飲まない人からも意外な高評価を得ていることがわかります。さらに、お土産としての人気や、特別な楽しみ方もあるようです。カブトビールの実力、ちょっとのぞいてみましょう。
実際に飲んだ人のリアルな感想
カブトビールは「明治」と「大正」の2種類がありますが、それぞれに特徴があり、好みが分かれるようです。
まず、「明治カブトビール」はアルコール度数7%という、しっかりとした飲み応えが特徴。口コミを見ると、「苦味がガツンとくる」「黒ビールのようなまろやかさ」「炭酸が控えめで、じっくり飲める」といった声が目立ちます。いわゆる“飲みごたえのあるビール”を好む人にはぴったりです。
一方、「大正カブトビール」はアルコール度数5%で、すっきりとした飲みやすさがポイント。「軽やかで食事と合わせやすい」「ホップの香りがふんわり」「クラシックな味わいで落ち着く」といった感想が多く、普段はビールを飲まない人でも「これは飲みやすい!」と好評のようです。
共通して言われているのは、「歴史を感じながら飲めるのが面白い」「半田の赤レンガ建物で飲むと、よりおいしく感じる」という意見。確かに、ビールの味だけでなく、その背景や場所の雰囲気も一緒に楽しむのが、カブトビールの醍醐味かもしれませんね。
県外観光客に人気!お土産としてのカブトビール
カブトビールは、レトロなデザインと限定感から、お土産としても人気が高いビールです。特に、半田赤レンガ建物で販売されている「カブトビール&グラスセット」は、観光客に好評。ビール2本とオリジナルのグラスがセットになっていて、ちょっとしたギフトにも最適です。
また、瓶のデザインもクラシカルでおしゃれ。「お土産として買ったら、思った以上に喜ばれた」という声も多く、特にビール好きの人へのプレゼントにはぴったりです。さらに、「半田でしか買えない」という限定感も、観光客にとっては大きな魅力のようです。
ちなみに、持ち帰り用の瓶ビールは、冷やして飲むのが一般的ですが、少し常温に戻してから飲むと、より香りや味の深みを感じやすくなるそうです。せっかくなら、家でもじっくり味わってみるのもいいですね。
季節限定イベントや特別ラベルの楽しみ方
カブトビールは、季節によって限定イベントや特別ラベルが登場することがあり、訪れるたびに新しい楽しみ方が見つかるのも魅力のひとつです。
半田赤レンガ建物では、時期によってビールに関連したイベントが開催されることがあり、特別なメニューや限定ビールが登場することも。例えば、秋にはクラフトビールフェスが開催されることもあり、普段とは違うカブトビールの味わい方を体験できます。
また、イベントや季節ごとにラベルデザインが変わることがあり、「限定デザインのカブトビールをコレクションしている!」という人もいるほど。特別ラベルはその時期しか手に入らないため、記念に購入するのもおすすめです。
カブトビールは、単なる「復刻ビール」ではなく、飲む場所やシチュエーションによってさまざまな楽しみ方ができるビール。次は、そんなカブトビールをより満喫するために、半田周辺で訪れたいスポットを紹介します!
カブトビールをもっと楽しむ!半田の周辺観光スポット
カブトビールを堪能したら、その余韻を楽しみながら半田の街を散策してみませんか?このエリアは、醸造文化が根付いた歴史ある街並みと、写真映えするスポットが点在する魅力的な場所。ビールを味わうだけで終わらせるのは、ちょっともったいないかもしれません。そこで、カブトビールと相性抜群の観光スポットや、地元グルメと合わせて楽しむプランをご紹介します。
ビールと相性抜群!知多の醸造文化を巡る旅
半田は古くから醸造業が盛んな地域として知られ、味噌、酢、日本酒といった発酵食品文化が根付いています。カブトビールの歴史を深く知るなら、半田の醸造文化を体験するのもおすすめです。
まず訪れたいのが 「MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)」。お酢の老舗メーカー・ミツカンの歴史を学びながら、醸造の奥深さを体感できるスポットです。運河沿いに立つ黒塀の蔵は風情があり、写真映えすること間違いなし。醸造といえばビールだけではない、そんな気づきを得られるかもしれません。
続いて、「國盛 酒の文化館」 へ。300年以上の歴史を持つ中埜酒造が運営する施設で、知多の地酒の魅力に触れることができます。見学後には試飲コーナーもあり、日本酒好きならぜひ立ち寄りたい場所。カブトビールと知多の地酒、飲み比べてみると、それぞれの醸造文化の違いが感じられるはず。
半田赤レンガ建物以外の「映えスポット」
半田赤レンガ建物はもちろんのこと、半田には歴史を感じさせる美しい風景が多く残っています。特におすすめしたいのが 「半田運河・蔵のまち」。黒壁の蔵が立ち並ぶ運河沿いの風景は、まるで時が止まったかのような美しさ。カブトビール片手に散策するのも良いですが、運河沿いに座ってのんびりと景色を眺めるのも、なかなか贅沢な時間です。
もうひとつ、知る人ぞ知るフォトスポットが 「紺屋海道」。江戸時代から続く歴史ある街道で、レトロな町並みがそのまま残るエリアです。細い路地を歩けば、タイムスリップしたかのような気分に。人が少なく落ち着いた雰囲気なので、静かに街を楽しみたい方にもぴったりです。
地元グルメと合わせて楽しむ、1日満喫プラン
カブトビールを楽しむなら、地元グルメとの組み合わせは欠かせません。そこで、ビールを軸にした半田の満喫プランをご提案します!
- 午前:MIZKAN MUSEUMを訪れ、半田の醸造文化について学ぶ。江戸時代から続く味噌・お酢作りの歴史を知ると、発酵食品の奥深さに目からウロコ。
- 昼食:地元の味を楽しめるレストランでランチ。おすすめは、知多半島の新鮮な魚介を使った 「回転鮨 魚太郎」 や、赤酢を使った寿司が味わえるお店。寿司とビールの意外な組み合わせも試してみたい。
- 午後:半田運河・蔵のまちを散策し、レトロな景観を楽しむ。運河沿いの黒塀と青空のコントラストは、まさに写真映えするスポット。
- 夕方:國盛 酒の文化館へ。ここで知多の地酒を試飲し、ビールとはまた違った醸造文化に触れる。
- 夜:半田の居酒屋で、知多和牛や名古屋コーチンを使った料理とカブトビールのペアリングを堪能。地元ならではの味覚を味わいながら、1日の締めくくりに。
このように、カブトビールを中心に据えた半田観光は、グルメも歴史も楽しめる充実の内容。せっかく訪れるなら、ただビールを飲んで終わるのではなく、街全体を味わい尽くしてみませんか?

まとめ
カブトビールを追いかけていくうちに、半田という街の奥深さにどんどん引き込まれてしまいました。復刻されたビールの味わいを楽しむだけでなく、その背景にある歴史、名古屋の街を彩った広告塔、地域の醸造文化、そして半田ならではのグルメや風景。ビールを通じて、ここまで世界が広がるとは思いませんでした。
そして何より、カブトビールには「歴史を残したい」「かつての名品を蘇らせたい」という地元の人々の熱い想いが詰まっています。時代に埋もれてしまいそうだった幻のビールが、半田赤レンガ建物とともに復活を遂げ、多くの人に愛され続けている。その姿こそ、カブトビールの魅力そのものなのかもしれません。
もし半田を訪れる機会があれば、ただの観光ではなく、過去と現在をつなぐこのビールを片手に、街を歩いてみてください。そして「明治」「大正」どちらのカブトビールが好みか、ぜひ味わってみてほしいと思います。
今回の記事のポイントまとめ
- カブトビールは明治・大正時代に栄えたビールブランドで、2015年に復刻
- 半田赤レンガ建物内の「Re-BRICK」で飲み比べができる
- 「明治カブトビール」はコク深く、「大正カブトビール」はすっきりした味わい
- 知多和牛や名古屋コーチンとペアリングすると美味しさが倍増
- 『風立ちぬ』にカブトビールの広告塔が登場し、2022年に半田で復元
- お土産としても人気で、特別ラベルや季節限定イベントもあり
- 半田の醸造文化や運河の風景とともに、1日じっくり楽しめる
カブトビールを楽しむことは、単なる「ビールを飲む」以上の体験。歴史、文化、そして地域の魅力をまるごと味わう、そんな特別なひとときをぜひ体感してみてください。
よくある質問
- 「明治」と「大正」、どっちが飲みやすいですか?
-
ビールの好みによりますが、飲みやすさで言うなら「大正カブトビール」です。アルコール度数が5%で、ほどよい苦味とすっきりした飲み口が特徴。逆に、しっかりした味わいが好きな人は「明治カブトビール」の方が満足度が高いはず。アルコール度数7%で、ホップの苦味とコクが強め。せっかくなら、どちらも試して好みを見つけるのがおすすめです!
- 半田以外でカブトビールは買えますか?
-
基本的には半田赤レンガ建物や地元の一部店舗での販売が中心ですが、イベントや期間限定で県外でも手に入ることがあります。また、オンラインショップで取り扱っていることもあるので、どうしても現地に行けない方はチェックしてみるのも手。とはいえ、やっぱり一番美味しく飲めるのは、赤レンガ建物の雰囲気の中で味わう一杯です。
- どんな食べ物と合わせると美味しいですか?
-
知多和牛のローストビーフや、名古屋コーチン卵のオムレツなど、地元食材を使った料理とのペアリングが抜群です。特に「明治カブトビール」の苦味と肉料理の旨みは相性バッチリ。逆に「大正カブトビール」は、軽めの和食やチーズを使った料理ともよく合います。ジャーマンプレート(ソーセージ&ハム)と一緒に飲むと、ドイツビール気分も味わえますよ。
- カブトビールの広告塔ってどこで見られる?
-
2022年3月に、半田赤レンガ建物の敷地内に復元されました。高さ約10メートルの大きな広告塔がそびえ立っていて、映画『風立ちぬ』のシーンに登場したものと同じデザインになっています。映画ファンなら「ここがあの名古屋駅の風景か!」とテンションが上がること間違いなし。赤レンガ建物の見学ついでに、ぜひチェックしてみてください。
- 半田観光のおすすめルートを教えてください!
-
半田を1日しっかり楽しむなら、朝から出発して醸造文化や歴史を感じるルートがおすすめ。
- 午前:「MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)」で半田の醸造文化を学ぶ
- 昼食:地元食材を使ったレストランでランチ(知多牛や名古屋コーチンのメニューが◎)
- 午後:半田赤レンガ建物でカブトビールを飲み比べ&カブトビール広告塔を見学
- 夕方:半田運河の散策で歴史的な街並みを楽しむ
- 夜:「國盛 酒の文化館」で日本酒の試飲 or 地元居酒屋でビールと知多の海鮮を堪能
カブトビールを飲むだけじゃなく、半田の文化や景色と一緒に楽しむのがポイント。これで、半田の魅力を余すところなく満喫できます